みどりのリビングラボ 手放しで緑が育つ!農業のDXが地球と人に優しいクールスポットを作る 2022年11月18日2022年11月19日 midorism SDGs、データ利活用、脱炭素・カーボンニュートラル 手放しで緑が育つ!農業のDXが地球と人に優しいクールスポットを作る 汗をかきながら歩く真夏の都会。目の前には、ビルの谷間にコンクリートで囲まれたベンチと、狭いけれど緑が生い茂る木陰のベンチがあります。あなたは、どちらで休みたいですか?もう、尋ねるまでもないですよね。炎天下、熱い日差しを遮って影を作ってくれる『みどり』のシェードがあったら、人は涼を求めて集まって来ます。でも、植物は暑い最中に水をやったり肥料を与えたり手間をかけなければ育ちません。また、詳しい知識がなかったら、緑を増やして実を実らせるのが難しい植物もあります。では、そんな手間暇や技術をIoTが解決してくれたら、どうでしょう? 植物が植えられた鉢の中のセンサーが、自動的に土壌の水分量や湿度、肥料の状態を測定。また、つるが絡まるポール(架台)のあちこちに設置されたセンサーが、天候や気温、湿度、風量を自動的に感知して、あらかじめ組み込まれた生育プログラムに沿って、適切な時期に適切な量の水分を与えることで、植物を大きく育ててくれる。これまでは植物に詳しい人しか、緑を効率的に育て、実をたわわにすることが出来ませんでしたが、なんと、機械がそれを可能にしてしまうのです。そんな夢のようなシステムが『IoT緑化 シェード』です。センサーが測定した数値は、そのままデータとして送ることが出来るので、遠隔操作も出来ます。台風で暴風や豪雨に晒されている時は、遠隔操作先にアラートが届きます。何かあった時には、すぐに対応出来るんです。 そんなシェードに植えられているのはパッションフルーツ。病害虫に対抗力が高い植物なので、無農薬で育てられます。そして、何より楽しみなのは実がなること。シェードに取り付けられたカメラによってAIが判断し、実が大きくなって収穫できるほど色付いて来たら、知らせてくれるんです。まさに農業のDX。農作業に詳しい人が居なくても、細かいプロセスや判断は全てIoTがやってくれます。人の手をかけずに、プロフェッショナルな人がやって来たことが出来てしまうんです。 なおかつ、そんなシステムを4時間で組み立てることが可能。いつでも、どこでも『IoT 緑化シェード』を設置出来ます。今は『うめきた外庭SQUARE』での実証実験の段階ですが、3年後の大阪万博では、パビリオンの間を繋ぐ通路を緑で覆って、歩く人々が涼しく快適に移動出来るよう、そんな活用を目指すそうです。緑を増やすことで、都市のヒートアイランド化を緩和するだけでなく、そこに暮らす人たちに涼しくて快適な空間を提供する『IoT緑化シェード』。今後は、シェードに使う木材に廃材を利用したり、パッションフルーツの葉などから作られたセルロースナノファイバーの鉢を使うなど、環境に配慮した進化を遂げたい、と、このシステムを作った三菱電機の開発担当の田中哲夫さんは、ちょっと照れながら話して下さいました。 農業のDXとはどんな物なのか?その最先端を、うめきた外庭SQUAREに来て『IoT緑化シェード』で実際に体験してみて下さい。IoTが作る緑のオアシスです。植物のあるスペースで休憩すると、そのあとの集中力が34.6%もアップする、そんな実験結果もあります。うめきた外庭SQUAREに休憩に来て、気持ち良く過ごし、仕事もはかどるなんて、素敵ではありませんか?秋になったらパッションフルーツの実も実っているかもしれませんよ!