『ヴァーチャルとリアルが交差すると、不可能が可能に!身体を抜け出し、自由にどこにでも行ける未来はすぐそこ?』

『ヴァーチャルとリアルが交差すると、不可能が可能に!身体を抜け出し、自由にどこにでも行ける未来はすぐそこ?』

秋も深まる11月の良く晴れた日。「生まれて初めての体験が出来る」と聞いて『うめきた外庭SQUARE』にやって来ました。ふと見ると…芝生の上で不思議な動きをする人たちが居ます。大きなゴーグルを装着し、おぼつかない足取りで歩き回っていますが、なにやら、その表情は嬉しそうです。時々驚いたり、誰かと喋ったり…。

一体、なにが起きているのでしょうか?

この日『うめきた外庭SQUARE』で行われていた実証実験は『MIRRORGE UMEKITA TRIAL: Enchanted Garen(ミラージュ うめきた トライアル: エンチャンテッドガーデン)』Enchanted Garenを直訳すると『魅惑的な庭』です。タイトルを見ただけでは、何が何やら分かりません。サブタイトルは「VR/MR技術とメタバースが融合した仮想空間を体験出来るイベント」。MRとはMixed Realityのことで「複合現実」と訳され、現実世界と仮想現実を組み合わせる技術だそうです。

ますます分からないので、実際に体験してみることにしました。

まずはMRグラスを装着します。すると…目の前に花畑が出現。見回すとあたり一面色とりどりの花畑です。でも、これはVRゴーグルを付けたら良くあることです。ところが、よくよく見ると!なんと!!外庭 SQUAREの周りに林立するビルや通り過ぎる車が、そのまま見えます。VRゴーグルだと、仮想現実だけしか見ることは出来ませんが、MRグラスでは現実の世界が花畑で彩られているのです。流石、MR。リアルとバーチャルが重ね合わされ、確かに「複合現実」になっているではありませんか!ようやくMRの意味が分かって来ました。リアルな世界のビル群にプロジェクションマッピングのように花畑が投影され、なおかつリアルにはないカラフルな蝶々が飛んだり、お城が登場したり、これは生まれて初めての体験です。その上、自分の手からは魔法の光線を発射することが出来ます!みんなが手を前に出して歩いていたのは、魔法の光線を出すためだったのです。魔法の光線を枯れ木に当てると、みるみるうちに緑が生い茂って行きます。凄いですっ!魔法まで使えるようになりました。

しばらくすると、今度はアバターが登場して来ました。実は、このイベントの会場は『外庭SQUARE』だけではありません。ほかにグランフロント大阪の『ナレッジキャピタル』や、『QUINTBRIDGE』と言うオープンイノベーション施設、地域のコミュニティ拠点である『UMESHIBA BASE by UR』の3ヶ所があり、それぞれ離れた場所から、アバターで参加する人たちが居たのです。遠隔地の皆さんはVRゴーグルを使って『外庭SQUARE』にアバターとなって、やって来ていました。もちろん『外庭SQUARE』に居る私もアバターになっていますから、アバター同士で手を振り合ったり、喋ったりも出来ます。MRグラスと遠隔地をVRゴーグルで繋いで体験するイベントは日本では初めてだそうです。これは本当に凄いことです。遠くにいる人たちと一緒に綺麗な花畑を見て感動したり、魔法を使って驚いたり、大きな怪物が出て来て闘ったり。最も素晴らしいのは、そんな楽しい体験や感動の瞬間を、リアルタイムで遠隔地に居る人たちと共有出来ることです。

こんなことが出来るなら、アメリカやドイツに居る友人と皆で京都に集まって、色とりどりに色づく紅葉に魔法をかけたりして盛り上がることが出来ます。

病院に入院している友人や家族と遊園地に一緒に行けたら!病気で辛い思いをしている人と、一瞬だけでも楽しい世界でワイワイ一緒に遊ぶことが出来たら、それは最高の時間になるはずです。

個人的な想いとしては…コロナで遠く離れた90歳の母と2年半会うことが出来ずに居ます。90歳と言う年齢から、人生で共に過ごせる時間は限られています。出来れば、遠隔地の実家に引きこもる母を、このSystemを使って、気持ちだけでも外に連れ出し、咲き乱れる花を見て感動の瞬間を母と一緒に共有したい。強く思いました。

このシステムを作り上げたティフォン株式会社のCEO深澤研さんは、目をキラキラ輝かせながら話します。「公園という現実のフィールドに身を置きながら、リアルとバーチャルが融合した世界を楽しんで貰いたいです。スクリーン上の受動体験から、自分が実際に動く能動体験の場へ。屋外では風や温度、匂いなどが総合的に作用して、 “今、ここでしかできない体験”ができるようになるでしょう。」

今回の実証実験は、オリックス不動産などJR大阪駅北側の再開発エリア「うめきた2期」の開発事業者が、ティフォンと組んで実施しました。オリックス不動産株式会社のうめきた開発推進室 佐々木一洋室長は「大阪万博も視野に入れて、まずはマネタイズのモデルを作り持続可能な形に出来たらと思っています。その上で、公園を使った新しいライフスタイルを作ったり、最新技術で幸せな暮らし方を追求したい。ゆくゆくは社会課題の解決につなげられるように考えています。」と力強く仰っていました。