中高層の建物も木材で 「CLT」活用が加速

中高層の建物も木材で 「CLT」活用が加速

複数の板を重ねた建築用の木材「CLT」の活用が加速しています。CLT(Cross Laminated Timber)は、板材の繊維が直角に交差するよう何層にも重ね合わせて強度を増した木材。コンクリート並みの耐性があることから、4階以上の中高層の建物の建設も可能です。

木造住宅を建築する際に発生する二酸化炭素の量は、鉄骨や鉄筋の住宅に比べて40%程度少ないとされています。欧米ではCLTの活用が急速に拡大していて、高層ビルも建てられているそうです。

日本でもCLTの利用が低層の建物だけでなく中高層にも広がっていけば、脱炭素社会の実現に向けたGXの推進につながるでしょう。このため林野庁では現在、CLTパネルの寸法など標準規格化づくりに乗りだし、量産化を後押ししようとしています。

木材の利用を巡っては、2010年に公共施設を対象とする木材利用促進法が施行されていて、21年の改正で民間の建物にも対象が拡大しました。CLTを活用した建物は年々増えていて、15年度の25件から22年度は約180件に増える見込みで、25年に開かれる大阪・関西万博の日本館の建設にも、CLTが活用される方向です。

出典:「CLT活用促進に関する関係省庁連絡会議」資料より